先日、広陵高校が甲子園の2回戦を辞退するという事案があった。
まぁ本当これ、SNSで上がっている事が本当だったとするならば、令和の時代にもこんなことが起こっているのか・・・と驚いた。
そして、問題が起きた後の大人の対応のまずさ、そして連帯責任みたいなの、もう辞めませんか?ということを思った。
スポーツ大好きなものとして、思う事が3つあったのでそれを書き留めておきたいと思う。
- 狭い世界だと世の中の倫理観よりも組織特有の倫理観が強くなって暴走しがちという点
- 大人の対応のまずさ
- 連帯責任ではなく、個人を出場停止にすれば良いのでは?
これらについて思う事をつらつらと書いていきたいと思う。
狭い世界だと世の中の倫理観よりも組織特有の倫理観が強くなって暴走しがちという点
僕も部活には所属していた。野球部でもないし強豪校ではないけど、今思えば色々理不尽なことはあったし(暴力はなかったが)、その理不尽な点を上級生になっても廃しきれなかったという点では、ある意味加害者でもあると思う。部活をしていたことは良い思い出であると同時に、ある意味加害者でもあったという点は今となっては恥ずかしいし、情けない。
そんな懺悔をした後で書きますが、部活とかそういう小さな閉鎖的な世界では、世の中の倫理観よりもその組織特有の倫理観が強くなりがちだと思う。
そして、それは狭い世界の中でどんどん加速し暴走する。
今回の暴力事案も普通に考えればありえないけど、狭い世界の中ではありえるだろうなと思う。
そして、たかが1歳違う位で、上級生のする事、言うことは絶対、監督・コーチの言うことは絶対という中でおかしなことがどんどんまかり通るようになっていく。
こういう事象を卒業後大人になってからでも「おかしい」と思うか、「いやいや、昔の方が良かった」という人と本当意見が分かれる。
卒業して数年後に部活の合宿に行った際に、自分はもう完全に上記の通り懺悔モードになっていたので、「今までの形を続けていたら、部が続かない。これからの時代にあった形で変えていった方が良いと思う」という話をしていったが(全体に向けてOBがミーティングでお話をしないといけなかったのでそういう話をした)、その後でもっと上の年代のOBから色々ご指導を受ける羽目になった(;^_^A
この話、OBの方と僕のどちらが正しいか、間違っているか、は置いておくが、やっぱり暴力、怒鳴る、等の行為で指導していく、その組織を率いるというのは間違っていると思う。
それは、法律で裁けば暴行罪、恐喝罪だ。
それに、人は恐怖では本当の意味で動かないと思う。少なくとも僕はそうだ。それは部活をしていた頃からそうだった。
人は夢中になるとか、楽しいとか、そういうことで本当の意味で動き出すと思う。
では、どうしたら良いのか。
さっき、僕とOBさんのやりとりで察した人もいると思うが、そういう「昔のやり方」を良しとする人がまだ一定数いる。
ランニング中に、少年野球を見ていても、甥っ子のサッカーを見に行った時も思ったけど、指導者の怒鳴り声が響きまくっている。
はっきり言うけど、あれはダメだし、もうやめてほしいと思う。
自分を含めた大人たちは、あれはダメだということを認めて、行動を改めていかないとダメだと思う。それが出来ないなら、指導者という立場は退いてほしいと思う。
暴力、恫喝は一切認めない。もしそれを容認、もしくはしていたのなら、その一切合切を謝罪して、今後は改める旨話して、仕切り直しをする。
自分のしてきたことの非を認めることは、なかなか嫌な事だけど、その姿を大人から子供に見せることは、ある意味すごく教育的にも大切な事。
そして、暴力や恫喝ではなく、対話による指導をしていってほしいと切に願う。
そして何より、対話ではなく怒鳴る事や暴力、恫喝で指導された子供はその後そのような大人になる可能性が高いと思う。そうならなかったとしても、それがきっかけでスポーツが嫌いになる人もいるかもしれない。いずれにせよ、プラスの効果はないと言っても過言ではない。
大人の対応のまずさ
今回の事案が発生してから、ここまでの対応の流れを見ていると「対応がまずいよなぁ」と思う。
会見もどこか逆切れ・・・という感じもしたし、責任をSNSに押し付けてしまっているような印象も拭えない。
どう見ても、もみ消しにかかっているように見えなくもないし、そういう印象があるからSNSであんな感じになってしまったのだろう。
これも時代の変化だと思うけど、今はSNSがある。
今までは情報をある程度権力を持つ人達がコントロール出来た部分は大なり小なりあったと思うけど、今はSNSがあるので絶対にそういうことは出来ない。
ちゃんと公表して、被害者の方に謝罪をして、加害者にはペナルティを与えた上で、今後はこう改善してこうしていきますという話をして、いかなる処分も受けますというスタンスを示していくことが大切だと思う。
自分の過ちを認めて、謝罪をするということは勇気がいる。
でも、その姿を見せることこそが、大人が子供達に見せれる教育ではないかと思う。
・・・で、そういうことをしっかりとしないから、余計に過剰にSNSでネットリンチの私刑が起こってしまうのだと思う。
これは超個人的な意見だけど、学校の「いじめ」とか「暴力」は学校対応とかじゃなくて、言ってみれば傷害事件なので学校とか教育委員会が対応するとかじゃなくてもう事件扱いで良いのではないかと思う。家庭内暴力とかもそう。話せばわかる、伝えればわかる、そんな人は最初からそんなことしない。
そうやって事件にすることで、やってしまった人も、これは法律に触れる行為なのだと思うだろうし、被害を受けた人も、加害者がペナルティを受けることで、少しは感情面で救われる部分があるのではないかと思う。
連帯責任ではなく、個人を出場停止にすれば良いのでは?
今回、一番言いたいことはこれ。
何故、こういう暴力事案等がもみ消されるのか?
色々要因はあると思うけど、結局問題が公になると連帯責任となって出場停止、辞退という事案になるからだと思う。
これ、もう止めませんかと思う。
法的に問題となる暴力行為、恫喝をした選手、指導者はある一定の期間出場停止とする。繰り返す場合は退部処分とかにして、大会への出場は問題を起こしていない選手で出場する形に出来ないものなのだろうか。
で、部内での暴力行為等を繰り返す学校は、大会への出場停止処分を与える。そうすれば、学校側も部のそういうカルチャーの改善へメスを入れていくのではと思う。
一部なのか全員なのかわからないけど、そんなことをしていない選手も多いのではと思う。
そんな選手の出場機会まで奪うのは、どうしてもおかしいように思う。
連帯責任にするから、学校も連盟も「穏便に」済ませようとするという部分はあるのではと思う。
学校からしたら、出場辞退なんてなれば今までの野球部への投資がパーになる上に、翌年の受験希望者は減るだろうし、野球部への入部者も減るし、スカウトも厳しくなるだろう。
だから、なんかあんな感じになってしまうのだろうと思う。
連帯責任は、もういい加減止めてほしい。
まとめ
間違っていることや、誤認もあるかもしれないけれど、今回の広陵高校の出場辞退の騒動について思う事を色々書いてみた。
今回のことを契機に、運動部で一部残るかもしれないああいう暴力や恫喝がなくなっていくことを切に願う。そして、そういう指導がまかり通っていた年代の方が指導者となっていることが多いだろうけど、自分たちが経験したかもしれない、そういう暴力や恫喝的な指導は、自分たちで終わらせるという覚悟を持って指導者になってほしい。
僕はスポーツのおかげで、良い意味で人生が変わった。
体が弱かった幼少期からは想像も出来ない位、体が動かせるようになった。
オタク気質で、一人でずっと好きな事をやり続けるタイプだけど、部活で集団でスポーツをやることで、社会性も少しは身に付けたような気がする。
いい友人も出来た。
今も、スポーツをすることで毎日のハリがあるし、心身の健康維持に大きく寄与している。
そんなスポーツ愛好家の一人として、こういうことがなくなることを切に願う。
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