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2023年野辺山ウルトラマラソン 第二話「強みと弱み」

野辺山ウルトラマラソン
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35kmの稲子湯まで来て、林道の木々の間から差し込む日光の感じ、空の青さ、野辺山の朝とはとても思えない暑さと発汗。

どれをとっても、「はい、今日は気温上がりますよ」というフラグにしか見えない。

そして、先月のチャレンジ富士五湖のダメージ。

奇跡、そして歓喜の118kmゴールのダメージはやはり半端ではなかった。

でも、あと65kmだ。

え?

「まだ」65kmじゃない。

は?

「あと」65kmだと。

えーっ!!

「あと65kmだと??」

なんだその謎の変態ランナー的な思考は。

富士五湖の戦いは僕にダメージだけでなく、元々足りない頭のネジをさらに一本抜いてくれていたようだ。

認めたくはないけど、僕もついに変態ランナーへ進化しつつあるのか。

「あと65km」そんなポジティブに思う自分に気づいて、稲子湯エイドの後の坂を歩きながらふふっと笑ってしまいました。

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「強み」にフォーカスせよ

稲子湯エイドの登りの後の下り坂。ここから八峰の湯までの道が本当に気持ち良くて好きです。

なんか、すごくキツいんだけど「あと65km」とかポジティブかつバカなことを思っていることに笑ってしまい、この日初めて「イケる」と思いました。

先月走ったチャレンジ富士五湖5LAKESの部118kmでは、35km走ってもまだ83kmある。

この事実が、僕のメンタルを削りに削った。

53km走らないと、あと65kmにならない。

でも今日は35km走ったら、あと65kmだ。

これは、館山若潮マラソンの激坂を、今まで登ってきた坂達(足柄峠、馬越峠、日光いろは坂、船津の坂)と比べればなんてことはないと「こ・・・こんなもの・・・」と元気玉を食らうフリーザ様ごっこをして毎回登っていますが、あの心理状態だ。

あのフリーザ様ごっこでは、結局元気玉を食らってしまうんだけど(今年もしっかりハムストリングスが痙攣しました)、元気玉を食らうかどうかが重要ではなく、そういうバカなことを考えて強気でいれているということがプラス材料だ。

今日は、間違いなく暑くてタフなコンディションになる。

自分自身のコンディションも疑問符が付く所は多々ある。

その疑問符に大きく動揺してしまう豆腐メンタルが僕の弱みだ。

しかし、それはコントロール出来ないこと。

どうにも出来ないことにフォーカスしても仕方ない。

どうにも出来無い事や弱みを見ても、どうにもならない。

「今の自分に出来ること、得意なこと、強みはなんだ?」

自分に問う。

僕は自信を持って答える。

「そりゃもうアナタ、下り坂ですよ」

「心肺に負荷かからないし、大好物ですよ。」

「野辺山で唯一の、僕が攻めれるパートですよ」

稲子湯エイドを出た後の登り坂が終わる頃、八峰の湯まで続く下り坂が見えてきた。

ベイスターズの2022年シーズンスローガンの横浜反撃・・・じゃないけど「こばすけ反撃」だ。

ド派手に下る、50kmまでの道

下り坂は大好きだ。

5:00/kmを切るくらいのペースで、景色を楽しみながら下っていく。

ここの景色は本当にきれいで、いつも写真を撮りたいのだけれど、さすがに下りのスピードで写真撮りながら走ったら転びそうなので目に焼き付けております。

柔らかい芝生のゾーンを抜けて、40kmの給水所ではパパっとBCAAサプリメントを流し込んで2km先の八峰の湯エイドを目指して進んでいく。

この時は下り坂ということもあって、4:50/kmを切る速いペースで進んでいきますが、温存しようが突っ込もうが僕に後半に残るような脚はない。稼げる時に、稼げる場所で、ドカンとタイムを稼ぐのだ。

八峰の湯の周りは応援の方が大勢いて、とても賑やかで元気がもらえるエイドステーション。

応援の方に元気を頂きながら、42km地点到着!!

八峰の湯で奥さんと再会し「下りやっぱり速いねえ」と言われ、「ここから50kmまでは派手派手に攻めるよ」と答える。

人に言った言葉は、相手も聞いているだろうけど、最もその言葉を聞いているのはひょっとすると自分なのかもしれないとよく思います。

ここで「暑い」とか「脚が張っている」とか弱気なこと言っても、その言葉を聞いてツラくなるのはもしかすると言われている相手よりも自分なのかもしれない。

だから、言葉は大事だ。言葉が好きだ。出来れば、良い方向に行けるような言葉を紡いでいたい。

たまには、悪態もつくけどなるべく笑い交じりのやつで。

・・・すみません。たまにじゃないです。しょっちゅうです(;^_^A

奥さんは補給を終えて、「先に行ってるね~!!」と出発。

僕はチョコフレークを食べながら、シューズに入った石を取って、再スタート。

ここから50kmの関門までも、下り基調。攻め切るパートだ。

松原湖を眺めながら、気持ちの良い下り坂を下っていく。

それにしても気温が上がってきた。まだまだ標高も下がるし、ここからさらに気温は上がるな・・・。

「気温が上がってきて、体が熱持っても、テンパって飲み物をがぶ飲みしないこと!」

「体が熱くなったら水で濡らして気化熱で冷やす事!!」

ペース表に、数日前の僕が今の僕に宛てたメッセージが書いてあった。

・・・・いいこと言うじゃないの俺・・・・!!

渋すぎて大好きな松原湖駅を過ぎて、田んぼ地帯を淡々と進んでいきます。

松原湖駅。すごく好きな駅です。いつか電車で旅に来たいなと思っております。

この辺りでは田んぼを眺めたり、ペース表を見ながら淡々と走りペース表と現状との照らし合わせや補給計画等をチェックしながら走りました。

この日のペース表は12時間30分前後のフィニッシュで作っており、この時点では予定より早いタイムで通過してきていましたが、この後の高温地獄や坂の総攻撃を考えるとどうかな・・・・

なんか不安が・・・。うーむ。

またペース表に書いてあった過去の自分が今の僕に宛てたメッセージがまた僕を助けてくれた。

「先を考えすぎない事!エイドに着いたら、次のエイド。それだけ。シンプルに。」

そうだそうだ。

僕は先を考えすぎると、悪い方悪い方に考えてしまう癖があるから、先は考えない。

あくまで、今の積み重ねだ。

今の自分がありたい自分からかけ離れてなければ、未来の自分もそんな悪いもんじゃないだろう。

今コツコツ走ること、前進することを積み上げていけば、ゴールにたどり着けるはずだ。

そんなことを思いつつ走って行くと、ついに50kmの小海中学校横公園エイドへ到着。

ここまではどうにか順調。

ここから、ついに灼熱の野辺山ウルトラマラソンが牙をむく。

よみがえる2017年のトラウマ、沸き立つ高温、照り付ける太陽。

ネガティブこばすけの暗躍、終わらない自問自答。

吹き出る汗と疲労、止まらないネガティブ思考。

そこで自らを客観視しようとし続けた結果、ゲームチェンジャーとなる妄想上のキャラクターが誕生。

最も苦しんだし、最も自分と向き合った時間帯にここから突入。

2023年野辺山ウルトラマラソン 第三話「2017年野辺山のトラウマ」に続く。

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