山中湖まで順調に進み、滑り出しとしては上々。
しかし、チャレンジ富士五湖5LAKESの部は山中湖を通過した位であと100km。
あと、100kmだと・・・・?
初めて5LAKESの部に出た時に18km地点に「あと100km」と書いたボードを持って立っている方がいて震えあがったのが懐かしい。
もうそんなことでは震え上がらない。訳わからんとは思いますが。
今回した準備は走力向上は当然のことながら、メンタル面にも準備を費やし、もうひとつの準備の目玉はペース配分等の「作戦」。
その名も「突っ込み番長大作戦」。
この作戦が火を噴き、前半戦で奇跡が起こる・・・・!!
突っ込み番長大作戦
走りの面で変えたことがペースを数字で決めないことでした。
呼吸が荒れているかどうかでペースをチェックして、荒れたらスピードを抑える、荒れない限りはそのままのペースでどんどん行く。そんな感じ。
その考え方でやった所、今までとは全然違う速いペースでスイスイいけました。
今まではどうだったか?というと、後半脚が残らなくなるから6:00~6:30/km位に抑えて、可能な限りイーブンペースで走るという考え方でした。
しかし100kmの長丁場で、イーブンで走れたことは皆無。
後半になればなるほどペースが落ちていく。これに加えてチャレンジ富士五湖5LAKESだと制限時間がシビアなので6:30/kmのイーブンで行って、例えばトイレにハマる、潰れてリカバリーに時間を要する等あるとあっという間にお尻に火が付いてしまう状態でした。
その結果、放り投げ、メンタル崩壊等々の惨敗の歴史を繰り返しておりました。
そんな中、去年の野辺山でイーブンにこだわらずに呼吸を目安に走ったら、まさかの快走。
今回はその成功体験を基に、呼吸でペース管理をする方に変えました。
呼吸で管理すると、だいたい5:10~5:40/km位のペースになって、僕のウルトラマラソンの持ちタイムからするとかなりのハイペースになりますが後半潰れてでも、このペースで行くメリットがあるのです。
それは、
- 潰れた後に復活に使える時間の余裕が出来る
- 制限時間に追われるストレスの軽減
- 時間の余裕が出来る事で斜度のキツい坂を捨てて、歩ける
- そもそも、どうせ潰れる
これでいくしかない。突っ込むんだ。
もしかすると、これがチャレンジ富士五湖攻略の鍵になるかもしれない。
攻めるんだ。攻めのペース、攻めの回復、攻めの時間利用だ。
その作戦名こそが「突っ込み番長大作戦」。
足和田出張所の奇跡
山中湖を後にすると、その後は富士北麓公園へ戻る登り基調。
特に38kmの第二関門となる「富士北麓公園上エイド」まではかなりの登り基調。
突っ込み番長大作戦の作戦通り、ここの登りは捨てて歩きます。歩きでロスした分は今まで突っ込んだ分とその先の船津の坂の下り坂で取り返します。下り坂は大好物。下りこそ僕の生きる道。大腿四頭筋よがんばれ。
いつもは富士北麓公園に戻る登り坂で、制限時間が気になって走りを混ぜることで消耗してしまうことが多かったのですが、今回は貯金を多めに作ったので余裕を持って登り坂を捨てて歩きを選択し、補給しながら登っていきます。だいたい歩きで10:00/km前後で行くように意識しました。
その後は下り坂ですっ飛ばし、ロス分を返済。
下り坂の途中、42km地点位は2022年大会で心が折れて、一緒に走っていた奥さんに「無理だわ、俺辞める」とリタイアを宣言した場所。
昨年の大会は距離と制限時間が怖すぎて、ろくにペース表や補給の準備をせずに「6:30/kmのイーブンで押せばいいんでしょ」と謎の開き直りをして、エイドで補給にもたつき、自分が完走圏内なのか、そうでないのかもわからず混乱し、ただただ疲弊した大会だった。それも「情報がありすぎるから、テンパるのでは?あえて6:30/kmという数字だけを順守する作戦はどうか?」という気持ちもあったのですが、思慮が足りな過ぎた。
でも、その失敗のおかげで今日は作戦やその他計画をしっかり立てて挑んだ。
やらかしたあの日の俺よ、見ててくれ。
そんな気持ちで、船津の下り坂を後にして河口湖大橋へ。
毎回河口湖大橋の辺りでしんどくなるのですが、それは想定内。てゆーか、富士北麓公園に戻る辺りからしんどかったけど、それも想定内。
しんどい中でもペースを維持するイメージで、ロングジョグをひたすら繰り返した。
そうだ・・・・鎌倉の海を往復する日々が俺を強くしたのだ・・・・。
そんな感じで50km通過。
手元の時計は驚愕の数字を叩き出していた。
「50km地点通過タイム:5時間1分」
オイオイオイ!確かにロングジョグの感覚だとこのタイムはあり得るけどマジか・・・・。
この後どうなっても知らんぞ・・・・
いや、どうやっても、どうせ潰れているからこれでいいんだ・・・・。
あと68kmを9時間59分以内ね・・・・。
イケるのか、イケないのか、よくわからないけど「突っ込み番長大作戦」は火を吹いている。
今は作戦が火を吹いているから良いけど、この先吹くのは俺の体か、メンタルか。
いや、先のことはいい。今、この一歩を踏み出して行こう。
結局ゴールするには、それしかないのだ・・・・。
この辺りは比較的フラットなので、ペースはしっかりと刻める。この後に控える足和田出張所から先は登り坂なので、そこの登りを捨てて歩くためにもここはしっかりと走らなくては。
通りの雰囲気を楽しみつつ、左側に広がる河口湖を眺めながら進んでいくと、ついに第三関門の足和田出張所に到着。
!?
9時47分だと・・・・。
これは、もしかしたら奇跡が起こるのかもしれない。
もうこの時点で今まででは考えられないようなスピードで来ている。
これで万が一途中で何かあっても、リカバリーに時間を十分に使える。
攻めに攻めた。攻めの姿勢は崩すつもりはないけど、これこそが最大の防御だ。
多めに休憩を取りつつ、ザックの中のものを整理し、ここまで抜きつ抜かれつしている奥さんと雑談しながら阿鼻叫喚が手ぐすね引いて待つ後半戦へ挑むのでありました・・・・。
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