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2023年チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン 第3話「俺は俺だ」

チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン
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まさかのタイムで到達した56km地点、足和田出張所。

今回の準備で一度のトレーニングで走った最長距離は60km

ここからが、本番だ。ここまでは出来すぎで、きっと何かが起こる。

何って、まぁ潰れるんですが。間違いなくそれは来る。

その時に、自分はどういられるか。ファイティングポーズを崩さずにいられるか。

真価を問われるタイミングはいつ来るのか。

いつでも、かかってこい。

そんな気持ちで西湖へ脚を進めていきました。

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最強のライバル

足和田出張所を出て、すぐに激坂。一緒にエイドステーションを出た奥さんは当然のように走り出す。

僕は歩きつつ、「あとで追いつけそうなら、その時に!」と告げて先行してもらいます。

その後僕も走り、奥さんに追いつきましたが西湖湖畔に入ってからも全くリズムの崩れない奥さん。

すげーなこの人。俺はちょっと歩き混ぜるよ・・・と歩きを混ぜていったらあっという間に見えなくなっていきました。

さすがだ。

レース前に「最初からそんな速いペースでは行けない」とか言っていたけど、普通に山中湖らへんから抜きつ抜かれつだったし。普通にイケるやんけ。

僕と奥さんは全くタイプの異なる人間。

鬼滅の刃のキャラクターで言うと、

奥さんは、伊之助。

僕は、下弦の壱(まさかの鬼w)。

奥さんはフィーリングで走るタイプで、故障やレース中のヤバいことを回避する能力に長けているけどその理由を明確には説明出来ないタイプ。勘が鋭いのと恐ろしくタフなスタミナを持っている。

僕は、完全に策に溺れるタイプ。策を練りすぎて、その策に縛られ自滅する感じw

言わなきゃいいのに、電車と一体化したとか言っちゃったり、速く食べればいいのに電車のお客さんを食べ損ねたりと、あんな感じで、まぁ・・・残念な感じです。

しかもこの話を奥さんにしたら、「確かに!」と否定されなかった件w

・・・そんな感じなので、大会の走り方も全く異なるし普段のランの組み立てとかも全然違います。

フルマラソンでは僕のほうが少し持ちタイムが速いですが、ウルトラマラソンだと100kmのベストタイムが1時間以上も奥さんの方が速いという驚異のスタミナの差。

距離が伸びてもペースを維持できる奥さんと、距離が伸びるとペースが落ちていく僕。

策を立てまくる僕と、「考えるなんて俺じゃねえ!!」とばかりに突き進む奥さん。

この差が、格の違いなのか・・・・すげえ。

まぁ、俺は俺だ。奥さんと勝負している訳ではない。

僕の攻略すべき相手は、富士五湖のコースであり、それに対峙する自分だ。

昨年の夏のお楽しみが効いてきた

西湖の湖畔の道。

湖畔の道はくねくねと曲がりくねっていて、「いつまで続くんだよぅ」と弱音を吐きたくなるような仕様になっていますが、今回の俺は違う。

この単調さを想定して、準備段階のロングジョグはひたすら茅ヶ崎→平塚→鎌倉と海岸線の同じコースをジョグし続けた。これがすごく奏功したのか、いつも程単調に感じず淡々と走っていけました。

奥さんは、くねくね道の先にちょこんと見える位だけど見える。

追いつくことは厳しいだろうけど、この距離感をどこまで保っていられるか。奥さんが見える位置にいるということは「完走圏内にいる」という証左でもあるのだから(今まで5LAKESを3回挑戦し、3回とも完走している。今回は13時間を切りかけたみたいです。すごすぎて開いた口が塞がらない件)。

いい感じで西湖を後にして、次は精進湖。

チャレンジ富士五湖というと、「ここがツラい」と記憶しているポイント。赤池大橋のあたり。

何故か、僕から「日本で一番ツラい思い出のある橋一選」にノミネートされている赤池大橋。勝手にすみません。

昨年の夏に奥さんと夏のお楽しみイベントとして「チャレンジ富士2湖ラン」に行ってきた時に西湖と精進湖を走りました。

この時は元気な状態で走ったので、軽快に赤池大橋も走れ、大会で走ると西湖と精進湖はすごく長く感じていたのも実は僕の思い込みで実際はそんなに長くはないのか・・・という感触を得ていました。

この感触を得ていたのが、本当に、本当に大きかった。

赤池大橋を超えた頃には、体もキツさを感じてきて「突っ込み番長大作戦」で得た貯金を使って休憩を多めに取ったりしてペースは落ちてきておりますが、まだ体は言うことを聞いてくれている。

粘って、粘って、精進湖だ。

※この画像は昨年の夏に取ったものです。

精進湖の手前にある自動販売機でクリームソーダを買って、芋けんぴをボリボリ食べながらのんびりジョグして精進湖へ入っていきます。

クリームソーダと芋けんぴ、美味しすぎる。幸せすぎるわこれ・・・・。

つかの間の幸せを堪能した後、精進湖湖畔を進んでいきます。

食べながら進んだ精進湖湖畔。

本当にいい天気だ。暑いけど。杓子で水をバシャバシャ被りながら、いい景色眺めて、食いながらいっぱい走って、キツいけど、幸せなことよ、コレは。

そんなことを自分に言い聞かせながら、進んでいきます。

途中、私設エイドで綾鷹とカルピスを頂きました。綾鷹が神だった・・・!この私設エイドの方、2019年の秋大会でも私設エイド出してくれていたような気がする。お話してて以前話したことがあるような気がする・・・。聞いてみたいけど聞けなかった。もしそうだったら、あの時も、今日も、すごく元気を頂きました。

他の私設エイドでも、応援にもすごくすごく元気を頂けました。

本当に感謝。

色々な方からの「がんばれー!!」に背中を押してもらいながら、ここまできた。

精進湖も終わりだ。

その時、奥さんからLINE。恐怖の画像添付付き。

「本栖湖、これから行ってきます」のメッセージに添えられていた恐怖の画像。心から直進したい。

この画像を送られた時に「なんちゅう画像を送ってくるんやw」と吹いてしまいましたが、このLINEが入った時、僕は71.1km地点の精進湖国道139号前待機所エイドに入る所で、自画自賛野郎で恐縮ですが、「俺は戦えている!!」とこの時すごくうれしく思いました。奥さんとそこまで差がついていない。どうにか粘れている。その事実がすごく嬉しかったです。

喜びも程ほどに、まだ71.1km。まだ残りはフルマラソン1本以上ある。

何が起きても、不思議ではない。むしろこれからな気がする。

こう思いながら、「118kmの方はこちらでーす」と誘導の方に声かけして頂き本栖湖へ向かっていくのでありました。

この時の僕は、本栖湖で待ち受けている阿鼻叫喚をまだ知らない・・・・。

2023年チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン 第4話「試練の時」に続く。

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