4/16(日)AM1:30。富士北麓公園。
いつもの通り、前日午前中は仕事。その後中々寝付けない仮眠をした後に車を走らせて約束の地へ。
約束の地、富士北麓公園。
ここでは2019年から118kmを完走した僕が待っている。
僕も、118kmを完走した自分に会いたいが、自分の弱さが大きな高い壁となってなかなか会えないでいる。
2019年から何度も「次こそは」と言って、富士北麓公園を後にしてきた。
今日は「やりきった!!」と心から言い切れるような一日にしたい。
車のフロントガラスには雨が打ち付けているが、そんなことはどうでもいい。
雨とか、風とか、暑いとか、僕はそんなことを気にする前に、自分の弱さを直視すべきだ。
今日は、今度こそは、そんな弱い自分も、雨も、暑さも、風も、すべて引き連れてここへ自分の脚で帰ってくるのだ。
その準備は、十分にしたはずだ。
荷物預けに行く頃には雨も止んで、今までのチャレンジ富士五湖5LAKESの前の不安感やイラつき、距離と制限時間の恐怖を感じることもなく、妙に静まり返った気持ちで大会会場へと入って行きました。
自分との約束
「私信、スタート地点への君へ」に書いた通り、自分へのメッセージは「良い旅を!!」というだけなのだが、スタート前のお花摘みをしながら自分との約束を再確認していた。
※約束その1:呼吸が荒れるまでスピードを出さない
※約束その2:怪我以外の理由で「タイムオーバーです」と言われるまでレースを降りない
※約束その3:風景やエイドの雰囲気を楽しむことを忘れない
※約束その4:自分で自分を見捨てない。自分の可能性を信じぬく。
他にも補給の事などをペース表に書き込んで約束事は作りましたが、この4つが一番大切だと思うので何度も頭の中で反芻していました。
テンパって呼吸が荒れるレベルで、突っ込んでいったら後半終了するのでそれはしない。
他は大会を楽しんで、最後の瞬間まで自分を見捨てずいきましょうや、俺よ。
そんな感じ。
簡単なことのようで、DNFする時はこれが出来ていない。
テクニカルなことももちろん重要だけど、気持ち的なものも同じく重要なのだと思います。特に時間の長いウルトラマラソンは。
もっと言えば、僕のようなへなちょこメンタルの人間には。
そうこうしている間に、スタート数分前。
奥さんとグータッチをして、「どこかで、また会おう!90km位までは先行しときたいな」などと軽口を叩きましたが、前半は抜きつ抜かれつ、最終的に行きの西湖でぶっちぎられましたw
軽口叩いているうちに、ついにスタート数秒前。
2019年から続けている、5LAKESの部への挑戦も4回目。
エントリーする段階から悩み、トレーニング中も悩み、試行錯誤は数知れず。そんな積み重ねを披露するチャンスは年に一回、この日のみ。
・・・・見せてやるよ、富士五湖よ。今日の俺は違うぜ。
・・・・「見せてもらおうか、今までと違うというお前の力とやらを!」
富士五湖のそんなつぶやきが聞こえたような気がした、スタートの瞬間。
ついに、チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン5LAKESの部がスタートした。
新加入のジェントス閃、いい流れを作る
スタート時刻はAM4:00。
当然周りは真っ暗で足元も良く見えない。暗くて足元が見えにくい状況だと、路面を注視したり躓いたりと何かと無駄に消耗してしまう感じがあったり、昨年はいきなり足を捻ったりとトラブルもあったので今回はライトを購入。
暗い時間はスタート後約1時間の短い時間だけれど、このライトで少しでも足元が見える状態で走れれば速く走れるだろうし、疲労感も少なくなるはず・・・いや、なってくれ。
そんな気持ちで購入したジェントス君。この新加入選手の力は絶大だった。
足元がちゃんと見えるから、全く不安感なく走れるし、快調に走れる!
おおお・・・・勝利への道を照らしてくれているのか、ジェントス君よ。
こういう小さな「快適」を積み重ねることが、残り体力の温存にも繋がると思うのでギア選びも本当に大切だ・・・と思いながらの日の出までの時間でした。
最初の10kmは1時間を切って入ることが出来、上々の滑り出し。
ジェントス君がお役御免となる位太陽が出てきた頃には、山中湖に到達しました。
第一の湖、山中湖到着
11.1kmのエイドステーションでバナナを食べ、腹ごしらえをして湖畔沿いの道を進んでいく。
2019年に5LAKESの部に挑戦を始めてから、精神的に余裕が全くなく景色とか全然楽しめていなかったので、今回は完走へのチャレンジの他に「きれいな景色を楽しんで、写真もたくさん撮って楽しもう」という裏チャレンジも行っておりました。
これも、今回の結果につながったような気がします。
僕、野辺山ウルトラマラソンが大好きな大会なのですが、とにかく景色が好きで。その景色見たさに走って行ける感じがあるんです。
今回、チャレンジ富士五湖に向けてメンタル面での準備をしている時に「野辺山の時ほど、チャレンジ富士五湖では景色を楽しんでないのは何故だ?それが完走出来ない原因てことはないか?」と思いました。
走ることと到底関係なさそうな事案ですが、僕にとって14時間前後動き回ることになるウルトラマラソンでは景色とか応援の方やエイドステーションの方とのちょっとしたやりとりを楽しむのが、ある種の清涼剤のような役割を果たしているのではないか?と思ったのです。
これは、大正解でしたし、富士五湖の景色は本当に素晴らしいものでした。
2019年からの僕は制限時間を気にするあまり、景色ではなく時計ばかりを見てしまっていたようです。
現実として、一生懸命走らないと完走出来ないと思いますが、景色やその他のことを楽しむくらいの余裕がないと厳しいよなぁということを再確認しつつ山中湖を周回していきます。
そんなことを再確認しながら第一関門の山中湖交流プラザきららを通過。
山中湖と言えば、学生時代テニスの合宿で来て修羅場だった記憶があるのですが、まさかおっさんになって別のスポーツで修羅場を味わいにくるとは・・・・。
まぁ、なんだかんだスポーツ大好きなんですよね。
テニスもそうだったけど、このチャレンジ富士五湖の挑戦も失敗を重ねるにつれて改善し、少しづつゴールに近づいている。ジェントス君、ペース表、そもそもの走力向上、レース中の心の在り方等々。
なんでもそうだけど、失敗は出来ればしたくない。
おっさんになるにつれて、どんどんその気持ちは強くなっているけれど失敗しないとわからないこともあるし、言い方を変えれば、失敗したということは次はその失敗はしないようにするので失敗する可能性はわずかながら下がる。これを繰り返していくうちに成功に繋がるのだ。
そう考えれば、失敗もその後次第で、成功の種となりうるのだ・・・・。
過去の失敗から編み出した、今回最大の目玉がついにヴェールを脱ぐ。
・・・・すいません。実はスタート時から発動してました。
その名も「突っ込み番長大作戦」。
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