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2023年チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン 第5話「2019年秋大会の自分を超える」

チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン
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本栖湖での試練を超え、第五関門の旧精進小学校を目指して走り出した。

自分の内なる声にも負けずに、前へ進むことを選択できた。

ランニングに限らず、他の事でも、何回自分の内なる声に負けてきたか。

さっき勝てただけでも、大きな、とても大きな一歩だ。

まだ、ゴールまでは30kmはある。

内なる声に負けずに、体に次々起こるであろうトラブルを捌き、楽しんで残りの30kmやりきれるのか。

とにかく、次のエイドステーションまで行く。そしたらその次だ。

その繰り返しでここまで来たじゃないか。

本栖湖の前半戦ではリタイア寸前まで追い込まれたメンタルは、どうにか持ち直した。

いざ、第五関門、旧精進小学校へ。

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本栖湖後半戦

※この画像は昨年夏に撮ったものです※ 本栖湖駐車場近くにあるオブジェ。これを見たら、なんだかホッとしました。

本栖湖中ノ倉トイレ駐車場エイドを出た僕は、なんとかペースを保ち進んでいく。

さっき奥さんから、「旧精進小学校に向かいます!這い上がってきて!!」とLINEが来ました。

その前に僕からLINEした時に、「ヤバい。大ピンチだ」と送ってしまったので心配かけてしまったかもしれない(奥さんは「ヤバい、この人またダメかもしれない」と思ったらしいです。さすが僕と長い付き合い。よくわかってますw)。

精進湖を出た時は、そこまで差は開いていなかったのに、さすがだな・・・。

おっと、僕は僕の戦いをしなくては。

でも、さっきより気持ちの面には余裕が出てきた気がする。

本栖湖の前半では、この先どうなるのかという位失速したけど、後半はすんなりと終えることが出来ました。

「苦痛には波がある」といつもウルトラマラソン前に読み込む岩本さんの「完全攻略ウルトラマラソン練習帳」に書いてあったけど、こういうことなのね・・・と実感しました。

2019年秋大会のトラウマ

旧精進小学校へ向かう道。ゆるやかな登りが着実にここまで86km走った脚にダメージを与えてきます。

2019年秋大会でタイムアウトになったのは、本栖湖から旧精進小学校へ向かう道。

全然走れず、走れば関門閉鎖に間に合う感じだったけれど、気が付いたら「最後尾ランナーの後ろにつきました」と後ろから声が聞こえ、「あ、俺、最後尾なんだ」「旧精進小学校からの赤池大橋の登りとか厳しいよな」とか思った瞬間、一気に「完走する」という気持ちがガラガラと崩れ去り、体も動かなくなり、敗戦しました。

その後タイムアウトとなり、収容バスへ案内されている途中で悔しい気持ちの中にわずかな安堵感があることや、バスに普通に乗り込み出来る自分に気づいて(本当に限界ならバスに乗り込む時足を上げることすら大変なはず)、そんな自分がとても嫌だなと思ったことをよく覚えております。

リタイアバスの窓からは、体が傾いていたり、脚を引きづっていたり、一点を見つめてたり、様々なランナーがゴールへ向かって走っている姿が見え、とてもかっこよく見えました。

かっこよく見えたと同時に、僕はここで何をしているのだろうと情けない気持ちになりました。

自分で自分の限界を決めつけて走るのをやめて、がんばっている他の人を見てかっこいいと思っている。

カッコ悪いなぁと。情けないなぁと。

これは趣味のランだけど、僕は生きる上でもこういう弱さがある。

自分が好きとか言うと気持ち悪がられるかもしれませんが、僕は自分を好きになりたい。

こういう自分の弱さを見るたびに、自分が嫌だなと思ってきた。

結果はどうであれ、堂々と「やりきった!」と言いたいなと強く、強く思いました。そう言えれば、ちょっとは自分のことも好きになれるかもしれない。

・・・そんなことをリタイアバスの中で思った、2019年秋大会のことを思い出しながら走っていると、旧精進小学校に到着。

すごくキツいけど、走れている!気持ちは負けていない。残りの距離は28km。

気は緩められない。緩められるわけがない。

進み続ければ、確実に残りの距離は減る。

足を一歩踏み出せば、一歩前へ進む。

「当たり前だろ」と言われてしまいそうなことではありますが、そんなことが生きていく上で一番大切なことなのではないか?

ヘロヘロの体と頭でそんなことを思いながら、しばしの休憩。ジェルを流し込み、気合いを入れます。

この先は赤池大橋など、登りが多いので休憩も程ほどに出発。

ついに、チャレンジ富士五湖5LAKESの部に挑戦を始めてから、到達したことのない未知のゾーンへ足を踏み入れていきます。

2023年チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン 第6話「100kmの向こう側」に続く。

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