この本が発売される前。2015年2月。
当時初ウルトラマラソンにエントリーした僕は、「とりあえず60km走れないと100km完走出来ないでしょ」と60km走を月一ペースでやって、その度にあまりのキツさにヨレヨレになりながら悪態を付きながら走り、歩いていました。
誰もいない早朝の湘南大橋で、
「誰だ野辺山ウルトラにエントリーしたのは!ぜってー無理じゃねーか!すんげーキツいぞ!!あはははは」
こんなことを叫ぶレベルで苦しんでおりました。
この本が発売されたのはその2年後のこと。
「湘南大橋の中心で、苦しみを叫ぶ。」
そんな事件があった時に思っていたことは一つでした。
「ウルトラマラソンって、何を練習すればいいの?」
そんな準備を経て迎えた、初ウルトラマラソンの2015年野辺山ウルトラマラソンはどうにかゴールできましたが、歩いたり座ったり、完全なる泥仕合でした(笑)あれはあれで最高に楽しかったですが。
そんな2015年の僕に与えたい、ウルトラマラソンの準備について体系的に書かれた本が「完全攻略ウルトラマラソン練習帳」です。
ウルトラマラソンに向けた練習に1つの解を出した本
フルとウルトラの間の持久係数を「F値」と呼んで、この「F値」に基づいて練習メニューが紹介されております。
フルマラソンのタイム別に13週間の練習メニューが書き込み式で用意されており、一週間毎にやる練習が書かれているのでとてもわかりやすいです。
初ウルトラの時にこれがあったらなぁ・・・と思う反面、当時この本があっても提唱されているメニューをやれたかは大いに疑問です。
だって、今も出来ないですから(笑)
この本のコンセプトは「潜在能力を引き出す!」なのでかなり練習内容はハードな内容だと実際やってみて感じました。
一応フルで3時間30分を切っている僕は、この本によると100kmウルトラマラソンを9時間27分で走れるポテンシャルはあるようです(ちなみに2023年1月時点で100kmベストは12時間8分。伸びしろしかない(笑))。
この記載のせいで、奥さんから「岩本さんがやればサブ10出来るって言ってるんだから!泣き言言ってないでがんばれ!」とネタにされております。
メンタルマネジメントの所が好き
ウルトラマラソンはメンタルの弱い僕にとって、本当に面白いスポーツ。
快調に走っていても、すぐ先に我妻善逸ばりの精神崩壊が口を開けて待っています。
僕でなくても、100kmの長い道中メンタルは色々大変だと思います。
そんなウルトラマラソンにおけるメンタルマネジメントについても様々なことが書いてあり、大会前になると何度も読み込んで覚悟を固めるようにしております。
様々な対策や考えが紹介されるのですが、最も印象に残っているのがこのフレーズ。
レース前には「何があっても絶対負けない!雨雪熱烈歓迎!ヒトはヒト、ワタシャ負けねぇざまぁみろ!」と100回唱えて下さい。
「完全攻略ウルトラマラソン練習帳」本文より引用
このメンタル、間違いなくウルトラマラソンで必要だと思います。
巻末の「超ウルトラランナーの練習法」が面白い
練習法から当日のレースマネジメント、メンタルマネジメント、ギア、スレ対策、補給・・・
ウルトラマラソンの準備~本番まで必要なことがガッツリ書いてあるこの本。
巻末には、「超ウルトラランナーの練習法」というコーナーがあります。
「超ウルトラ」とは100kmを超えるウルトラマラソン。
そんなレースを完走する、すごい人達の練習法等が書いてあり、内容がすごすぎちゃって口があんぐりなりますが、とても参考になります。
まとめ
この本は、
- ウルトラマラソンに挑戦するけど、どんな練習すればいいの?
- ウルトラマラソンで必要な心構えや道具などは?
- ウルトラマラソンで、ポテンシャルを最大限に引き出した走りをしたい!
そんな方におすすめの一冊です。
我が家では完全にネタですが、僕はポテンシャルだけならサブ10はイケるようです。岩本さんが本の中でそうおっしゃっているから。
この本の冒頭で、このような記載があります。
「潰れてからがウルトラ」と言ったのは他ならぬ僕ですが、潰れてからはトボトボしたゾンビ歩きになり、レースではなく単なる移動になりがち。
無事に移動を終えて制限時間内にゴール出来たとしても、それはウルトラ「完走」ではなく、ウルトラ「完了」です。
中略
ランナーとしての潜在能力を目一杯引き出し、ウルトラ「完走」に挑んでほしいと思っています。
「完全攻略ウルトラマラソン練習帳」本文より引用
この記載、身に覚えありまくりです。
僕のランニングの成長はゆっくりマイペースではありますが、いつか岩本さんの言うウルトラ「完走」が出来るようにトレーニングをしていきたいと思います。
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