先日、お話した方がこんなことを言っていた。
『「どんなことでも他人に迷惑をかけてはいけない」とずっと子供の時から言われてきた。だからどんなことでも自分で完璧に出来ないと自分を責めてしまう』
と。
その方の話を聞きながら、つくづく「他人に迷惑をかけてはいけない」という言葉が僕は嫌いだなと思った。一見正しいことを言っているように聞こえるけど、定義が曖昧。
「はっきり言って、毒なんだよな。この言葉」
って、つくづく思う。
大体、誰にも迷惑かけない、お世話にならないで生きていける人なんているのだろうか。
何かを選択することで、選択しなかった側には迷惑かけたなんてことにはならないだろうか。
おそらくはそういう意味で迷惑をかけたことがない人はいないと思うし、もし本当に誰にも迷惑掛けていないとそう思っている人がいるのならば、随分傲慢な人だなと僕は思う。
どうしても「他人に迷惑をかけてはいけない」と言いたいのであれば、是非「法的に」とか「自分勝手な言動で」とか「悪意を持って」とか範囲を絞って言うべきだと思う。
だいたいこの毒の言葉に侵されている人は、迷惑をかけてはいけないの定義が曖昧。
無制限であるがゆえに、ありとあらゆることに対してマントラのように「他人に迷惑をかけてはいけない」と言っている人が多い。
で、そういう人に限って自己中心的でひとりよがりな人が多い。
そして、それを植え付ける人も言い方は悪いが少しその傾向があるように思う。
では、どうすればいいのか。
「自分勝手な考えや行動で、人を傷つけたり、騙したり、損害を与えてはいけないよ」
そして、
『お世話になった、お手数おかけしたと思ったら、「ありがとう」「ごめんなさい」を心から言える人になろう。』
ではダメなのだろうか。
「他人に迷惑をかけてはいけない」を闇雲に人に言ったり、子供にそう教育するのは、一歩間違うと毒を植え付ける行為。
一見、良い言葉に聞こえるが、毒を含むこの言葉。
言った自分も、言われた相手にも毒を植え付ける言葉。
僕は、法的に人を傷つけない、自分勝手な言動をしない等は遵守していくように努めることは大前提として、「他人に迷惑はかけない」と頑なに生きるのではなく、誰かのお世話になっていることを自覚して「ありがとう」「ごめんなさい」を素直に言える人でありたい。
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