フルマラソンやウルトラマラソンの大会前の特訓メニューで、僕の中で鉄板メニューとなっている「峠走」。
岩本能史さんの本で峠走の存在を知って、足柄峠に行くようになってはや10年。
何回やっても結構な筋肉痛になるハードさで、この筋肉痛が癒える頃には走力がグンと上がっている感じがするのでお気に入りの練習です。
しかも景色を楽しみながら、峠のてっぺんまで行って帰ってくるだけっていうのも僕にとって気楽で良い。
「峠走の何が良いの?」と聞かれれば、「ランニングに必要な心肺機能や素早い動き、着地筋をてっとり早く鍛えられるから」というのが答えですが、感覚では腹落ちしているし、行って帰ってくるだけでそれらの能力に刺激が入っているのはよくわかります。
今回、これを愛用しているGPSウオッチのデータ上では実際の所どうなっているのか、見てみるとより峠走の効果を実感出来る数字が出ておりました。
そんな感じで、データで峠走の効果を検証していきたいと思います。
峠走の効果で言われていること
峠走は、
- 登りで「推進力」と「心肺機能」
- 下りで「素早い動き」と「着地筋」
この4つがバランスよく鍛えられると、岩本能史さんの書籍で紹介されていた練習です。
実際に何度も走って感じていること
峠走を何度もやっていますが、確かに言及されている4つの要素が効率よく鍛えられるなと感じます。
登りのラストの方は、かなり斜度も上がってスピードは落ちますが呼吸はまるで5000mのラストのように上がってきます。脚への負担も相当掛かってきます(主にハムストリングスやケツ)。
そして下りは、「着地筋」と言われている大腿四頭筋にかなり刺激が入ります。あとはフラットな所では簡単に出せないスピードを出すことが出来ます。
こんな感じで、感覚ベースでも相当効率良く鍛えられると感じておりますが、反面、負荷も相当高く、走った後の筋肉痛も相当残るので頻度やペース調整は気を付けたほうが良いと思います。
実際に峠を走ってみたデータ
実際に峠走をしたデータを検証していきたいと思います。
走ったコースと走った人のプロフィール等
- 峠走をしたコース:足柄峠(山北駅~足柄万葉公園の先の自販機の折り返しコース)
- 距離:25km
- 自己ベスト:フルマラソン3時間24分、100kmウルトラマラソン12時間8分
- 月間走行距離:280~330km/月
- データを取った時計:COROS PACE2
走行データ
走行データは下記のような感じです。
ペース設定は数字ではせず、登りの斜度が上がるラスト数kmは5kmを走っている位の呼吸を上限として走り、その他はハーフマラソンを走っている位の呼吸を上限に走りました。
有酸素は「過剰」、無酸素は「改善」と出ておりました。
僕のイメージでは足柄峠走の目的は、普段平地では相当スピード出さないと入らないレベルの刺激を心肺機能に入れることなので、無酸素が「改善」と出ているのはうれしいデータでした。
有酸素のほうは、正直「え?25kmで過剰??」と思いましたが、体へのダメージの残り方や呼吸が弾むペースで走り続けることを考えると妥当なのかもしれません。
実際、僕は足柄峠走をした週は筋肉痛の影響で週間走行距離が落ちる傾向にあるので(ダメージが残るので休養したり、走行量を落としたりします)、冷静に考えれば妥当なデータだと感じました。
心拍数のデータ。心拍数はいつも「ふーん」程度にしか見ていないのですが、足柄峠走の時はどのゾーンにも入り込んでおり、心肺機能への刺激と言う面でも幅広く刺激が入っていると言えるのではないかというデータが得られました。
ラップタイムはこんな感じです。
データでこうやって振り返ると、効率良く体に刺激が入っていると言える反面、刺激が過剰に走りすぎている部分(「有酸素」の項目で「過剰」と出ている点)があるので、すごく良いトレーニングと言える面もあれば、負荷が高いリスクのあるトレーニングとも言えるのではないかと感じました。
自分の体の感覚としても、筋肉痛の残り方やダメージからのリカバリー(だいたい3日位かかります)を考えると足柄峠走の「諸刃の剣」感はあります。ハイリスク・ハイリターン。
登りの追い込み方や下りのスピードを調整すれば負荷も調整出来るので、目的に応じて調整しながら走っております。フルマラソンのトレーニングとして走る時は心肺機能に刺激を入れたいのでこのデータを取った時位追い込んで走りますが、ウルトラマラソンのトレーニングとして走る時は脚筋力の強化と坂道への対応力向上をメインに考えているので、もう少しゆっくり走るようにしております。
足柄峠のアクセス等
・アクセス:JR御殿場線 山北駅
・拠点:山北町健康福祉センター(山北駅から徒歩1~2分)
センター内に、ロッカーとか、「さくらの湯(お風呂)」あるのでここを拠点にスタート&ゴール地点にして走っています。駐車場もあります。
まとめ
僕のお気に入りのトレーニングの峠走について書きました。
トレーニングとしても、行って帰ってくるだけで「推進力」「心肺機能」「素早い動き」「着地筋」の4つが鍛えられる効率の良さ。データで検証してみても、いい感じで心拍数で様々なゾーンで刺激が入っておりました。
また、峠道を走るので景色を楽しみつつ走れるのも、僕にとってすごく良いです。
これからも、節目節目のトレーニングで峠走をやっていきたいと思います。
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