リクガメの甲羅のボコつきは、代謝性骨疾患の疑い等もあり良くないことと言われている。
僕も可能な限り、甲羅がきれいに育つようにと思っていますが、実際の所2008年からリクガメ飼育を始めて、飼育の仕方や知識等情報収集を続けていく中で、今だ試行錯誤を続けてきており正解なのか、間違いなのか、わからないままその場その場で「ベターだと思われる」方法で飼育してきております。
リクガメの飼育は本当に面白いし、難しい。
おそらく甲羅のボコつきも、色々な原因が言われているが「どれも正解で、どれも不正解」なのかなぁと考えております。正確に言うと「不正解」なのではなく、原因をひとつに決めつけることが「不正解」なのではないかなと思っております。
今回書くことも、この記事を書いた時点での僕が思っていることで今後飼育情報等がアップデートされていく中で変わっていくこともあると思いますが、いつも考えていることなのでまとめてみたいと思い、書いてみました。
甲羅のボコ付きの原因と対策
いつも甲羅のボコつきについて考える時に、一番長い付き合いのギリシャリクガメのリッキーの甲羅を眺めます。
今思えば、とんでもない飼い方をしていた時期もあり、肺炎にも二度してしまい、それでもこうして生きて側にいてくれることに感謝しております。
彼の甲羅を眺めていると、甲羅のボコつきについて気を付けたほうが良いかなということが見えてくることがあります。
僕が甲羅のボコつき防止で気をつけたほうが良いと思っている要素は、
- 紫外線
- ライト類との距離
- たんぱく質の過不足
- 乾燥
この4つ。どれもケージでの飼育だと避けては通れない問題だと思っております。
紫外線
紫外線ライトについては、メタハラや蛍光管タイプ、スパイラルタイプ、スポットライトと一体化したようなものまで色々ありますが、僕は現在スパイラルタイプを使っております。
交換頻度は、説明書には12か月使用可と書いてありますが、6か月~10か月で早めに交換しております。
特にUVBの量などを検証したことはないのですが、これを使っていて獣医さんから「甲羅が柔らかい」「成長をしていない」等の指摘を受けていないので、スパイラルタイプの使用を続けております(メタハラや蛍光管タイプの方が良いという情報もよくあり、悩ましい所ではありますが)。
ちなみに屋外での日光浴等は行っておりません。
UVBに当たって、カルシウム吸収に必要なビタミンD3を生成していくリクガメにとって、紫外線は欠かせない要素なのだとどの飼育書にも書いてあるので欠かさず使用しておりますが、彼らが紫外線ライトの下で当たっているのを観察出来たことがあまりないので、少し紫外線ライトについては懐疑的な部分もあるのですが、全く使用しないというのも心許ないので使用することにしております。
紫外線に当たることによるリクガメ自身の体内での生成以外のビタミンD3の摂取源としては、週1回与えているリクガメフードから摂取してもらうようにしております。
こう書いていくと、紫外線云々・・・と言うよりもビタミンD3をどれくらい与えるかも重要になってくるように思います(人為的に与えるのは過剰症のリスクもあるので、また別の問題が生じる可能性があるが)。
こんな感じで逡巡した結果、紫外線ライトは使用し、かつ週1回リクガメフードを与えることによってビタミンD3を摂取してもらっております。
ライト類との距離
ライト類からの距離を、リクガメの甲羅から20~25cm位離すようにしております。
近すぎると、甲羅が火傷したり、過乾燥の状態になってしまう可能性があるのではないかと考えているからです。
我が家のギリシャリクガメのリッキーは、甲羅の上部が乾燥の影響か、ライト類が近すぎた(飼育開始当初、ライトが近すぎたことがありました)影響か、白っぽくパサついた質感になってしまっております(上画像参照)。
これは、ケージ内の乾燥、もしくはライト類が近かったことが起因しているのではないかと推測しております。このことから、ライト類が近すぎることや過乾燥の状態も甲羅のボコつきや成長不良につながるのではないかと考えております。
【我が家で使用している保温ライト】
※保温電球(サーモスタットにつないで使用しております)
※スポットライト(朝~夕まで、冬季のみ使用)
たんぱく質の過不足
甲羅のボコつきについて調べると、頻出ワード1位と言っても過言ではない「たんぱく質の過剰摂取」。
僕も以前はこれを信じて、野菜と野草のみの給餌で育ててきましたが、あるタイミングでリクガメフードを週1~2回、少量与えた所、明らかに状態が良くなったという経験があります(フードを与える前も問題はなかったですが、より元気になったという印象)。
上記の一件や、SNSで庭で飼育しているギリシャリクガメやロシアリクガメがミミズを食べたなどの情報などを見るにつけ、草食中心であることは疑いないのですが、かといってたんぱく質が不要なのか?というとそうでもないのではないか?というのが僕の考えです。
たんぱく質過剰で甲羅がボコついてしまうのであれば、足りない状況でも成長不良等の良くないことが起こるのではないかと推測しております。
なので、甲羅のボコ付きを考える際に「たんぱく質の過不足」と書いたのはそういうことです。
たんぱく質が多すぎるのは、良くないだろうけど、足りてないのも、良くないですよねということです。今現在、最適量を調べたり、探ったりしていますが、これはおそらく当面の間手探りが続くのだろうなと考えております。
乾燥
ケージ内の過乾燥もリクガメの脱水や甲羅の成長不良を招くのではと考えております。
「ライト類との距離」の項目の所で書いた、ギリシャリクガメのリッキーの甲羅のパサついた感じの部分、アレは僕が飼育を始めた初期、全く湿度を考慮していない時期になってしまったのではないかと考えております。当時はライトも近く、ケージはカラカラ。申し訳ない環境でした。
ケージ内の湿度を日中は50~60%、夜間は70~80%に保つ為に、定期的に床材に水を撒いて、表面は乾燥しているが、中は水分を持った状態を保つようにしております(夜間はスポットライトをOFFにして、ケージに上蓋とカバーを被せると湿度が上がります。)。
夜間の湿度が一般的に言われている地中海系リクガメ飼育で推奨されている湿度より高いですが、野生のリクガメが穴の中に潜ったりすることを想定すると、土の中の湿度は高いと考えて、そのようにしております。
まとめ
リクガメの甲羅のボコつきについて、僕が原因と考えていることと対策について書きました。
いつにも増して、とりとめのない文章になってしまいましたが、リクガメの飼育は何か1つの問題を1つの原因、1つの対策でまるっと解決できるという感じではないように感じております。
「リクガメ飼育は、複雑系」
15年位飼育をしてみて、リクガメ飼育の感想を言ってみろと言われたら、そう答えます。
複雑系だからこそ、面白い。
これからも、彼らのお世話を楽しみつつ、色々な飼育情報に触れて勉強していきたいと思います。
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