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2023年館山若潮マラソン 最終話「魂に火をつけろ」

館山若潮マラソン
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【ここまでのあらすじ(前回のお話しはこちらです)】

やや突っ込み気味で入って菜の花のきれいな暴走・・・否、房総フラワーラインを経てハーフまで。

そこから登り基調に入り、ペースは少しづつ後退。

10km地点で「(自己ベスト)獲ったな」と思った自分を説教したい思いを抱えつつ、ついに30km過ぎの激坂へ。

この激坂は、元気玉を食らうフリーザ様ごっこをする約束の地。

心肺が追い込まれることもなく、すんなり登れたと思ったらハムストリングスがしっかり元気玉を食らって「うああああーっ!!!」となってくれました。

○| ̄|_

大会での失速、失態、阿鼻叫喚、精神崩壊。

それは、まさに伝統芸能の域に達している。

館山若潮マラソン、どうやら今回もスマートに終わらしてくれることはないらしい。

最後の戦いが、今始まる。

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海岸線に戻り、最後の戦いが始まる

ついに33km地点、海岸線に戻ってきた。

あの海岸に戻ってくるT字路を見るとすごくほっとする。

激坂で元気玉を食らったハムストリングスは反抗的ではあるものの、どうにか言う事を聞いてくれている。

何もトラブルなしで走り切れることはないと思っているので、ここでどう乗り切るか、楽しむかが大事だと常々思っています。

ハムストリングスが激攣りしない、最適かつ最速のスピードで刻んでいく。

キツい時ほど、ヘラヘラ走っとけ。

40過ぎのおっさんが、ヘロヘロの脚で走りながら応援の方に笑顔で手を振っている・・・・

我ながら、すごい絵だ(笑)

35km通過タイム:2時間46分50秒(30→35km通過タイム:26分08秒)

ついに5:00/kmを超えてきた。

ペースが落ちるのは別にいい。

大事なのは、気持ちが負けないこと。負けかけているけど。

ペースは落ちてもいいから、メンタルは落とすな!!

35kmを過ぎて、応援の方から頂く声援が「がんばれ!」から「あと少し!!」というフレーズに変わってきた。

そうだそうだ。あと7km・・・・。

左に広がる海、海岸線沿いを眺めていると遥か遠くに、大会会場付近にあったヤマダ電機が見える!!

「おいおいおい!!7kmってめっちゃ遠いじゃねーか!!!」

くそうくそう。この期に及んで「めっちゃ遠い」とか弱気なことを。

37km地点のエイドステーションで最後の補給をして、走っていく。

この辺りから、本格的に脚が言う事を聞かなくなってきた。

ハムストリングスが言うことを聞かず、ビクビクと痙攣して今にも攣りそうな感じ。

「おうっ!」

「はう・・・」

勢いあまって「はうあ!!」とか言いそうになる始末(漫☆画太郎好き)。

そしてついに、ハムストリングスのストライキがやってきた。

ラスト2km、燃え上がれ

ラストの海岸線を走っている時はゴールすることを強くイメージしながら、走っていました!

ストライキが来たのは、40km地点の手前か通過したあたり。

ランニングであんなにド派手に攣ったのは初めてのことでした。

片足が攣ったので、あっと思って止まったら攣ってない方の脚も攣りました(笑)

脚を曲げることの出来ない棒人間のような状態になりながら「やれやれ、困ったな」と攣りが収まるのを待ちつつ海を眺めていたら、神が降臨しました。

その神は応援の方。棒人間と化した僕を助けに来てくれました。

応援の方「大丈夫ですか!?スポドリとコールドスプレーありますけどいりますか?」

こばすけ「ありがとうございます。スポドリ頂いてもいいですか?」

応援の方「もう少しなんで、焦らずいきましょう!」

こばすけ「ありがとうございます!収まったらあと少し、走ってきます!」

応援の方「頑張って!!」

そんなやりとりをして、お礼を告げて、脚のストライキも収まってきたので歩き始める。

応援の方の優しさに伊之助ばりにほわほわしつつ、脚の回復具合を見積もる。

うん。止まったおかげで攣りもだいぶ収まったな。なんか気持ちも元気になったし。

40km地点通過タイム:3時間15分10秒(35→40km通過タイム:28分20秒)

「ザッザッザッ・・・・・」

その時、ついにあの音が聞こえてきた・・・・

この音・・・・ついに来たか!!

「3時間30分」の文字が書かれたペースメーカー。

余裕を持って速めに来るだろうからそろそろ来ると思っていたけど、ついに来たか。

おもむろに僕の横を集団が通り抜ける。

遠ざかる集団の背中。

その瞬間、僕の目に、心に、最後の闘志の炎が灯る音がした。

最後は前のめりで終わるんじゃー!!

ここまでどうにかこうにか来たんじゃー!!

そんなことを思いながら、ペースメーカーを追いかける。

ついに応援の声が「おかえり」に変わってきた。

いつもこの「おかえり」を聞くとジーンとなる。

先ほど抜かれたペースメーカーの集団を抜き去り、どんどんペースを上げる。

どんな形でもいい。

途中で脚が攣って完全停止しようが、ペースダウンしようが、最後は前のめりだ。

4月のチャレンジ富士五湖への挑戦に向けて、この館山若潮マラソンは前のめりで終わりたい。

朝、のほほんと歩いていた会場付近の橋。ラストで通ったこの橋は本当に長く感じました。

応援にお礼を言いながら、コースを曲がるとついにゴールが見えてきた!!

館山若潮マラソン、やっぱり手ごわいコースだった。

本当応援でどれだけ背中を押してもらえたか。景色にどれだけ励まされたか。

今回も帰ってこれた。よかった!

感謝・安堵・達成感・・・・そんな感情がゴールゲートが近づくにつれて高まっていきます。

「どうにかこうにか、やり切った!!楽しかった!!ありがとうございました!!」

ゴールタイム:3時間27分38秒

祭りのあと

ゴール後。楽しかったけど、マジでタフなコースでした・・・・!!

ゴール後は、もう一度盛大に脚を攣り棒人間に(笑)

もうね・・・いくら攣ってもいいよ・・・・ハムストリング君。

この坂だらけのコースを、このペースで走ってよく耐えてくれたよ・・・。

この疲れが癒えたら、鍛錬ですな(白目)

その後奥さんと合流。3月の名古屋ウィメンズマラソンに向けて、いい感じで走れた様子。

ゴール後に頂いたメダル。館山若潮マラソンで完走メダルを頂くのは、僕が参加した中では初めてだと思います。

楽しかった館山の道中を話しつつ、帰路につくのでありました・・・・。

大好きな館山若潮マラソンを久しぶりに走れて楽しかったです。

ありがとうございました!

次はチャレンジ富士五湖ウルトラマラソン5LAKES。

何度もはじき返されている高い壁です。

40km地点で灯った闘志の炎を絶やさずに、準備をしていきたいと思います!!

2023年館山若潮マラソン 最終話「魂に火をつけろ」完

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