最近、情報との付き合い方について考えることが多い。
テレビのニュースで言及されていることはここ数年、特に煽りがちな気がするし、新聞も社によって書かれていることが異なる。
そしてインターネットも色々な情報が飛び交っている。
それらに対する僕のスタンスは、
- どれも話半分
- 識者と思われる人の話でも鵜呑みにしない
- 「情報」として出てきた時点で誰かのフィルターを通過していることを意識する
- 受け取る情報量を減らす
・・・という感じで、基本的に疑り深い感じで情報を見ている。
「この情報を流すことで、誰の得になるのだろう?」
そんな感じで情報とは付き合っているものの、それが正しいのかもわからないし、情報を受け取る中でひどい煽り方や偏った報道を目にして「そんなに物事極端に決まらないだろ」と思っていても、何か心がザワザワするのも事実。
この「ザワザワ」の正体は何なのか。
それこそが、この本に書かれている10の本能を刺激されているからなんだ・・・と読んでいく中で思いました。
本当、ミスチルの歌じゃないけど「人は所詮アニマルなんです」ってことなんだなと妙に合点がいった本で、情報との付き合い方について考えさせてくれる内容でした。
本で書かれている10の本能
この「ファクトフルネス」では、下記の人間の10の本能に沿って書かれている。
- 分断本能:「世界は分断されている」という思い込み
- ネガティブ本能:「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み
- 直線本能:「世界の人口はひたすら増え続ける」という思い込み
- 恐怖本能:危険ではないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み
- 過大視本能:「目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み
- パターン化本能:「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み
- 宿命本能:「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
- 単純化本能:「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
- 犯人捜し本能:「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み
- 焦り本能:「今すぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
これらの本能について言及した後に、
「ファクトフルネスを実践しよう」
という章で締めくくられる内容となっている。
感想
・・・読んでいて、結構自分にも当てはまることがあるなぁと少し反省しながら読んでいました。
特に「ネガティブ本能」の所なんかでは、
僕はここ数年の政治の汚職っぷり、凄惨な事件、世界中の終わらぬ紛争、環境破壊、そんな情報を見ては、「世界はどこへ向かうのだろう。悪い方向へ進んでいる気がする」と思っていた。
他の本能に関しても、思い当たる所が多々あった。
言語化出来ていなかったものの、情報を受け取った時に「心がザワザワする」と感じていたのは、まさにこの本能を刺激されていたからなんだということがわかったことがこの本を読んで一番良かった所だった。
今後も情報を受け取る機会と量は絞って暮らしていくつもりだけれど、得る情報をゼロにするのは無理なことだと思うし、得たい情報だけを得れるとも限らない。そのような情報を前に、心がザワザワする理由は生き物としてのヒトの本能でそうなっているのかと思えたことは大きかったし、なにより本能的にそういう思考になりがちであるということがわかったことが良かった。
そして、テレビもインターネットも視聴率やPV数で利益が出るので、このヒトの本能を刺激するような内容の方が稼げる内容ともなるだろう。
実際、僕もこうしてブログを書いているが、昨年書いた「チャレンジ富士五湖と野辺山ウルトラ、DNSします」という記事はものすごい数読まれていた。どちらかというとネガティブというか過激というかそういうタイトルの記事の方が読まれるような傾向には間違いなくあると感じます。
だから、メディアはそういうことも考慮して情報を出している可能性もあるし、自分にはこの本で言及されている「10の本能」があり、その本能に踊らされて事実を誤認したり、鵜呑みしてしまったり、余計なストレスを感じることがあるということを考慮して、情報と付き合っていくことが重要となるんだなと思いました。
まとめ
この本を読んでいて、今まで情報を受け取った際に心がザワザワする時があった原因が良くわかり、すごく「なるほど!」と思った本でした。
- あふれる情報に食傷気味の方
- あふれる情報の中で何を信じたらいいか迷ってしまう方
- ネガティブに物事を捉えがちな方
このような方には特におすすめです。
情報の受け取り方や思考の癖などを見直すのにも、とてもいい一冊。
また読み返したいと思います。
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