箱根駅伝を題材にした小説があるとどこかで知って、購入した小説「風が強く吹いている」。
箱根駅伝好きなので、面白くて夢中になって読みました。
走っている所だけではなく、人間ドラマも最高に面白いです。
出てくる個性的な登場人物たち。
高校時代の故障で挫折し、寛政大学に進学し密かに箱根駅伝出場を狙う清瀬灰二。
走ることが好きで灰二を、人を魅了する走りをするランナー、暗い影を背負っている蔵原走。
寛政大学陸上競技部の寮(竹青荘)に住むその他個性的な面々。
マンガ好き、クイズ好き、ヘビースモーカーなどなど・・・・
とてもじゃないが、「この人、本当に走れるようになるの?」っていう人までいる。
練習を積み重ねて箱根駅伝に出場するレベルにまでなるのですが、そこに至るまでの話や大学生ならではの色々なエピソードも挟み込まれる。
箱根駅伝を目指して走って行く中で、登場人物たちの心の成長も描かれていく。
手に汗握る、箱根駅伝当日の展開。
「走るって、走ることが好きってどんな気持ち?」
読んでいくと、その答えがおぼろげながら見えてくるような気がする一冊でした。
夢中っていいなと懐かしい気持ちになれる本
「風が強く吹いている」は先述の通り、陸上初心者を含む10人の部員しかいない寛政大学が箱根駅伝出場を目指していくストーリーです。
箱根駅伝を目指して行く中で、10人それぞれの思いだったり、抱えている悩みだったりが出てきて時には団結し、時には対立することもありつつ、箱根駅伝のゴールまでの日々を過ごしていきます。
読んでて、なんとも懐かしい気持ちになりました。
「あぁ、学生時代に部活やっている時、こういうことあったなぁ」
と。
僕はソフトテニス部でしたが、そこに集まる部員は当たり前ですが全員が違う人。
出身地も、実績も、人生観も、競技に対する価値観も。
その中で部を運営し、ある目標に向かって行く中で様々な化学反応が起こりました。
ミーティングでの意見対立。
価値観の相違から来る対立。
ソフトテニスという触媒が無ければ、とても仲よくなれそうにないなという人同士が「目的達成」の為に何度もぶつかり合いながら年月を経て団結していく。
歓喜、落胆、喜怒哀楽。
届かなかった目標。
故障続きで、思い詰めて一度退部したこともあった。
全てに全力で、不器用で、喜怒哀楽が出ていた、今となってはちょっと赤面モノの学生時代。
読んでいると、そんな夢中で過ごした日々を思い出させてくれる一冊です。
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