ランニングを楽しんでいる方なら一度は聞いたことがあるであろう、ダニエルズの名前。
他にも「Eペース」とか「Tペース」という言葉。
この辺りの用語はもちろん、他にも走ることについてたくさん書かれている本がダニエルズのランニング・フォーミュラ。
走り始めてすぐに本の存在は知っていたものの、立ち読み時点で内容が難しそうだということで購入を見合わせておりましたが、2022年で走り始めて10年以上が経ち、フルマラソンでタイムを狙って走ることも増えてきた為思い切って購入しました。
僕がこの本を購入した目的は、
- トレーニングの原理原則をきちんと理解したい
- よく耳にする「VDOT」を知りたい
- ダニエルズの言及するトレーニングについて知りたい
この3つ。
今まで、ほとんどのワークアウトをゆっくり長く走って脚作りをして、大会2~3か月前に他の書籍で言及されているトレーニングをやってという感じでやってきました。
あまりトレーニングの意味とかを考えるというよりは、書かれているトレーニングをやってみて感じたキツさに応じて設定を微調整したり、走っている呼吸の感じなどでペースの適切さなど確かめながらトレーニングを積んでいくという自己流でやってきておりました。
そんな感じでフィーリング重視でやってきましたが、ちゃんと体系立ててトレーニングのことも理解して走った方が面白そうだと思い、読み始めましたがなかなか理解するのが難しい・・・。
まだまだ自分の知識として活用できる所まで落とし込めてはおりませんが、読んでかなり参考になった所もかなりあり、購入して良かったと感じております。
そんな感じの「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」のレビューを書いていきたいと思います。
この本に書かれていること
この本の目次は下記の通りです。
- 第1章:成功の必須要素
- 第2章:トレーニングの技術とランニング技術
- 第3章:有酸素性作業能とトレーニングのプロフィール
- 第4章:トレーニングの種類と強度
- 第5章:VDOT
- 第6章:シーズントレーニング
- 第7章:体力向上のトレーニング
- 第8章:高所トレーニング
- 第9章:800mのトレーニング
- 第10章:1,500mから2マイルまでのトレーニング
- 第11章:5kmから10kmまでのトレーニング
- 第12章:クロスカントリーのトレーニング
- 第13章:ハーフマラソンのトレーニング
- 第14章:マラソンのトレーニング
- 第15章:休養と補助的トレーニング
僕の感想や参考にしている所
読んでみた感想は、かなり面白いです。・・・ただ、実践するとなると難しい。数字をそのまま鵜呑みに出来る状況ではないからです。
第5章のVDOT。ここがすごく考えさせられる内容で、面白かったです。
僕の場合、5000m(19分58秒)とハーフマラソン(86分)とフルマラソン(3時間24分)のタイム、それぞれでVDOTの数値が異なります。
なので、5000mやハーフマラソンのVDOTに基づいてトレーニングするとすごい速いペース中心となります。
フルマラソンのVDOTでもかなり速く感じます。
なので、VDOTはひとつの目安にはなれど、盲信するのは危険かなというのが僕の所感でした。VDOTで導き出された各トレーニングの目安が僕の場合には速すぎ、別の人によっては遅いということもありえるのかなと感じました。なので、活用する人のランナーとしての個性も考慮しつつVDOTを活用していくのが良いのかなと思います。
僕の場合、距離が長くなればなるほどペースが落ちる傾向にあるのと、速いペースで走る量が増えると故障のリスクが高まることから、ゆっくり走って脚筋力を高めていって、ようやく故障少なく走れるようになってきました。
そんな感じで現状はトレーニングをしているので、ひとつの目安としてVDOTは活用しております。
自分のポテンシャルを測るという意味では、VDOTは面白いです。5000mのタイムで見るとフルマラソン3時間切りも夢じゃない所まで来ているようです。これはワクワクしました。
他に思いついたVDOTの活用法は、トレーニングの期分けをして「スピード強化の時期」には5000mやハーフのタイムでのVDOTでトレーニングをするとかすると面白いかなと考えております。
最も参考にしている、第15章の休養の所
僕がすごく参考になったと感じた所が「休養」のページです。
今でこそちゃんと週に1~2回は何もなくても休養を入れるようにしておりますが、以前は目指している大会があったり、走力を上げたいと思っていると、ついつい「休むと走力が上がらないのでは」と考えて、多少疲れていようと、脚が痛かろうと走ってしまうことがありました。
その結果、故障したり、精神的にパンパンになって走ることが面白くなくなってしまったり、疲労困憊状態にもなってしまったことがあります。
そんな経験から、現在では週に1~2回は必ず休む日を作るようにしております。
それでも、ついつい目指している大会があったりするとやりすぎてしまったり、休んでしまうことに罪悪感を感じてしまうことがありました。
そんな時に「休養のページ」にあるグラフが「休んでも大丈夫!!」とダニエルズさんから太鼓判を頂いたような気分になり、ありがたかったです。
そのグラフによると、休養3週間経過でようやく体力の低下がみられ始めるといった具合で、このグラフとこのページで言及されている内容は僕が休みを迷いなく選択する大きな後押しとなっております。
僕が読んできたランニング本で休養や休養後のトレーニング再開についてここまで紙面を割いている本はなかったように感じます。
まとめ
ランニングのトレーニングの事を原理原則の所から800mからフルマラソンまでのトレーニングのことが書いてあり、しかも休養の事まで書いてある「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」。
僕も正直全て理解出来ているとは言い難い状況ではありますが、部分的にでも理解していると走力向上という面もですが、「故障なく元気に楽しく走れる」という部分でもとても役に立つ本なのではないかなと感じております。
特に休養の部分は、僕にとってすごく購入して良かったなと感じている所です。
走ることが好きな方、トレーニングの組み立てに興味がある方や、タイムを狙って走る方におすすめの一冊だと思います。
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