車の中で休憩をしたことで、かなり回復することが出来た。
OS-1を飲んだのが大きかったのか、それとも一度スイッチを切って休んだことで気持ちも回復したのか、、、、
まぁ、どちらでも良い。多分どっちもだ。
エイドステーションの休憩は長くなってきたけど、歩きが入る数が明らかに少なくなってきた。
・・・まだ、走れるぞ!
60km超えに向けて、最後の戦いが始まる。
風が吹いてきた。
時計は15時を過ぎて、暑さが少しづつマシになってきた。
自分の苦しさにも波があるように、気候も時間と共に変化していく。この少し涼しくなってきた時間にどれだけ走れるかが勝負だ。
風が出てきて、体を冷やしてくれて心地よい。
ついに、勝負をかける時間がやってきた。
休憩もしたし、暑さが厳しい時間帯は歩いていたので、まだ走る力は残っているはず。
11周目を終えて、時刻は16:00前。
60kmを超えるには、あと2周。
休憩込みで7:10/km前後で進んでいるけど、このままのペースでは2周は厳しい。
12周目は、ラストスパートをかける位のつもりで走って、13周目に入る時間を作り出すしかない。
水を被って、覚悟を決めてスピードアップして走り出す。
この周回は、本当にがんばって走りました。
つい数時間前まで、「周回飽きたし、キツいし、暑いし、もういいぜ」と思っていたはずなのに、今は「もう一周走りたい」の一念でスピードを上げて走っている。
何がモチベーションになっているのか、本当にわからないんだけど、この瞬間、僕は間違いなくキツいんだけど「走りたい」と思って走っている。
この気持ちは何だろう。あと2周した所で、自分の8耐ベスト(14周)には1周届かない。
自己ベスト更新は僕のモチベーションではないようだ。
一体何が僕を突き動かすのか。
「やりきった!!」と思って、ゴールをしたい。
言葉で言うと、そんな所だろうか。
今日も歩いたり、休んだり、ここをこうしておけば違ったかも、といったような課題がたくさんあったように感じる。
自分の気持ちの弱さも相変わらずだ。
でも、これらの課題に向き合いながら、走っていくのがとても楽しい。
弱音を吐く自分をなだめすかし、ここまでやってきた。そんな実感が「やりきった!」という気持ちの正体なのだろうか。
そしてついに、この日最速で走り抜けた12周目が終わり、最終周回に入る。
「もう1周、いけるよ!!」
そんな応援に背中を押してもらいつつ、ラスト1周に入りました。
感謝が止まらない。
補給を済ませ、水をかけて頂く。
ここの方に今日何回水をかけて頂いただろうか。
しかも毎回元気の出る声かけ付き。
エイドでも美味しいものをたくさん頂いた。
先月のオクムで食べ過ぎて腹痛を起こした前科があるので、少し控えめに食べるようにしましたが(;^_^A
エイドの方にも「いってらっしゃい!!」「食べてってね!!」とたくさんお声かけ頂いた。
大量の被り水を運んでくださっているボランティアの方を見た。
コース誘導の方も、毎回声を掛けてくれる。
この暑さの中で、一日中様々なサポートをして頂いて感謝しかない。
逆走しつつ応援してくださる方もいる。
今朝お会いしたばかりなのに、tairenさんは差し入れまで・・・もうなんか色々ありがたすぎて、伊之助ばりにほわほわしながら走っている。
最終周回に入り、ちょっとするとガツンとさっきの周回で飛ばし過ぎた疲労が来て、「まぁ、どうにか歩いても間に合うわな・・・」と帳尻合わせして歩いていると、後ろから「こばすけさん!最後まで行きましょう!」とさくらさんが。
「はい!!行きましょう!!」最後の力を振り絞る。
思えば、さくらさんにも色んな場面で一緒に走って頂いた。
8耐でこんなに奥さん以外とお話ししながら走ったのは初めてかもしれない。他の大会でもか。
いつも大会は楽しいけど、今回はまた一味違う楽しさだったなぁ。
16時30分を過ぎて、ランナーもまばらになってきた彩湖を走り抜ける。
「今日一日ありがとうございました!!」とエイドの方や誘導の方に挨拶しながら走る最終周回はキツいんだけど、本当に楽しい。
お昼にあれだけキツくてギブアップ寸前まで追い込まれていたのに、今は「走りたい」「楽しい」と思いながら走っている。
こういう心の変化が特に顕著に味わえるのが、周回するウルトラマラソンの楽しみなのだろうか。
この楽しさを味わいたくて、なんだかんだ毎年8耐にエントリーしているのだろうか。
ゴールに向かっていくにつれて、どんどん自分の記憶が美化されていくのがわかる。
長いような、短いような、どっちでもいいけど、とにかく楽しかった8時間耐久レース、ついにゴールしました!!
楽しかったけど、やっぱりキツかったなぁ・・・・と車へヨロヨロ向かう途中で、ボランティアの方から「また来て下さいね!!」と言われ、脊髄反射の如く「ハイ!!また来ます!!」と即答していた僕。
8耐のどこに楽しさを感じるのか、僕はまだ見つけきれていないけど、脊髄反射で「また来ます!」と返事が出来るあたり、間違いなく楽しさを感じているのだ。
いや、間違いなく楽しかった。
また来年、彩湖でアツくて暑い初夏の一日を過ごしたい。
大会運営の方、大会に関わったすべての皆様・・・・ありがとうございました!!
2023年8時間耐久レースin戸田・彩湖 最終話「やっぱり8耐は、楽しかった。」完
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