2年ぶりのウルトラマラソンがついにスタートした。
スタートするまでにも、本当に色々あった今回。
でも、大切なのは「どのように始めるかではなく、どのように終えるか」。
今回のウルトラマラソンは、準備の段階から色々とハードモードだった。
でも、自分なりに対処してスタートすることが出来た。
なんか自分にすごく甘いんだけど、それだけで今回は良かったと思っている。
そんなことを思いつつ、スタートして数キロ、真っ暗闇の下り坂を走っている。
久しぶりのウルトラでテンションが上がったせいか、オーバーペース気味だったペースを落ち着けて山中湖へ向かう道。
夜明け
山中湖へ向かう一本道は歩道が細く、ずっと先までランナーが連なって進んでいるのが見える。
いつも思うのが、ひとつの目的地に向けて、これだけ多くの人間が同じ方向を向いて走って行くのが不思議だなぁと思う。
出走前から、万全の人もいれば、そうでない人もいる。
出走後も、止まらず進み続ける人、道半ばで止まる人も、止まっても最後までどうにかもがく人。
笑顔で進む人もいれば、ずっと真剣な表情で進む人もいる。
それこそ、人の数だけ、感情があって、見え方があって、目の前の課題への向き合い方にも個性が出る。
ゴール出来る人もいれば、そうでない人もいる。
なんかこれって、人生を暗喩しているというか。
ウルトラマラソンで出てくる、僕の弱さ、時々見せる強さ、諦めの早さ、諦めの悪さ、矛盾する様々な感情。
大会という非日常のせいか、あるいは体やメンタルを限界近くまで追い込まれるからか、普段の生活では理性で抑えられて表に出てくることのない部分が、思い切り出てくる。
今日は、どんな自分に会えるのか。
そんなことを思いながら、一本道を進んで行く。
この日は富士五湖特有の朝の冷え込みが弱く、寒がりな僕の割には珍しくウインドブレーカーなしで、アームカバーのみで出走していたけど、それでも暑さを感じて信号待ちの間にそのアームカバーも外してしまった。
夜が明けてくる頃には山中湖に到着。
ペースは至って順調で、6:00/km前後で走れている。

今回、写真を撮ったりヘラヘラ走っている余裕が僕にあるのか、
初めてのベアフット系シューズで挑戦するけど脚が持つのかどうか(ビブラムファイブフィンガーズで出走しました)、
そもそも今の自分で120kmへの挑戦は高すぎるハードルなのではないか、
色々思う所はあったけど、結局はやりたいようにやることにした。
写真撮ったり、景色を楽しんだとて、ロスは数秒。その数秒が楽しさを倍増させると思う。
ベアフット系シューズで走るっていったって、「走る」という行為に変わりはない。
120kmを15時間15分は僕にとって高すぎるハードルかもしれないけど、楽しまにゃソンソン。
楽しんでいかなきゃね!
さっきウルトラマラソンって人生を暗喩しているような感じって言ったけど、まさに人生もウルトラも「やりたいようにやる」これが大事だと思う。
他者にリスペクトは示しつつ、自分の生きたいように生きる。
だから、僕が走りたいように走るのだ・・・。
そんなことを思いつつ、走っていると第一関門である山中湖きららに到着した。
山中湖の攻防

関門閉鎖、29分前・・・・!
良い感じや。予定表よりも突っ込み気味だけど、別に呼吸が乱れている訳ではないし、OK。
ザックの中の柿の種を口の中にザザッと放り込んで、関門を後に。
この後、富士山がドーンと見えて、めちゃうれしい気分に。

湖畔沿いの道を淡々と、でもゆっくり過ぎないペースで巡航。
山中湖に別れを告げて、その後は富士北麓公園に戻る道。
北麓公園の手前は登り坂で、そこは無理せず歩いて、脚を温存したい(後々振り返るとこれは失敗だった・・・)。
その為にも、ここは予定よりも速いペースだけど、このまま刻んでいって、進んで行こう(この選択も振り返るとどうだったのかなと思います)。
当時はこの選択を「勇気」と解釈していましたが、後から思えば「蛮勇」だったのか。
僕のウルトラマラソンは毎度愚行権の行使の繰り返しになっていますが、いつになったらクレバーなレース運びが出来るのか・・・(;^_^A
絶対に突破したいライン

今回、絶対に突破しなければいけないラインであると同時に、引っかかる可能性アリと見ていた関門が、39.9km地点の富士北麓公園上の関門。
号砲後5時間で締め切られる、この関門。
僕の現状の力で、「この関門突破後約80kmを走れる脚を残してこの関門を突破する」ということの難易度の高さよ。
でも、ここは突破したい!
せっかくここまで走りにきたのに、もっと走りたい!
「39.9km地点、富士北麓公園上の関門を突破する!!」
そんな思いが強すぎたのか、少しオーバーペース気味に・・・・・。
よ、予定より早く各エイドに到着出来ている!行けるぞ!!
これが見た目は快進撃、でも実は破滅への布石になっていたことをこの時の僕は知る由もない・・・・。
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